ご挨拶
令和元年6月22日
一般社団法人 東京産婦人科医会
会長 山田 正興
会長 山田 正興

東京産婦人科医会は、昭和23年(1948年)12月に当時の優生保護法の適正な運用を図るために「東京母性保護医協会(東母)」として発足しました。この世界に、男女が存在する限り、望まぬ妊娠や性暴力被害等が発生することは避けられない事実です。日本の刑法には、堕胎罪の規定があるため、女性の、又母体の生命・健康を守るため、人工妊娠中絶術の違法性を阻却する必要がありました。このため、昭和23年(1948年)6月に優性保護法が成立しましたが、その法文には、人権問題視される優性学的思想に基づいて規定された条文があるため、その削除と名称の変更が求められました。平成8年(1996年)に現在の母体保護法が成立し、本会も「東京産婦人科医会」に名称が変更されました。

人工妊娠中絶は、母体保護法指定医師でなければ行うことが出来ず、その資格審査・指定権を民間団体である都道府県医師会が有しているという、他の法律に類を見ない特色があります。医師に対して、法律上の資格が付与されているのは、母体保護法指定医師と精神法律指定医のみです。後者の指定権者は厚生労働大臣ですが、母体保護法指定医師の指定権限は都道府県医師会が持っています。このため、都道府県医師会は厳格なプロフェショナル・オートノミーを発揮し、母体保護法の適切な運用に努めています。本会も、東京都医師会との共催で「母体保護法」の研修会を開催するなど、本法の主旨に反せぬよう会員の学術研修を定期的に行っています。

平成30年12月、超党派の議員連盟のご尽力で「成育医療等基本法」が成立しました。この法律では、すべての妊婦、子どもに妊娠期から成人期までの切れ目ない医療・教育・福祉を提供することの重要性を定め、国や地方公共団体、関係機関に必要な施策を実施する責務があると明記しています。新たな命を育むことができるよう子どもたちに正しい知識を醸成する教育制度の充実。すべての妊婦が安心して出産を迎えることができる環境の整備。周産期で揺れる精神的なトラブルの回避等をはじめとして、私たちが取り組まなければならない課題は多岐に及びます。

女性の健康と母子保健の増進を掲げる本会の目的に沿った事業運営を行うためには、会員各位の協力が必要不可欠です。これまで以上の会員の皆様のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。